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激しいイビキの方は要注意!!
良い睡眠がとれていますか? |
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虎の門病院 呼吸器科 成井 浩司先生 平成13年11月9日(金)、虎の門病院呼吸器科成井浩司先生に |
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プロフィール 用語の解説 睡眠時無呼吸症候群(以下SASという)は日本の国民病でありながらまだまだ広く知られていません。そのため、症状があっても、適切な治療を受けるまでにいたらずに、毎日苦しい夜を迎えなければならない方がたくさんいらっしゃいます。そういった方々を救いたい一心で日夜この病気の治療に取り組んでいます。 |
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睡眠医療の特徴 |
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睡眠医療には次の4つの特徴があります。@国民からのニーズがあることAにもかかわらず十分な診療体制が確立されていないことB新しい診療モデルであることCそしてこの診療に携わることで日本の睡眠医療を確立することができることです。 |
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イビキの種類 | ||||||
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寝入りばなのイビキや、飲酒・過労時のイビキなどの、いわゆる習慣性のイビキはあまり気にする必要はありませんが、イビキが朝までずっと続く場合や、最近急にイビキが大きくなって音も変わってきたな、という場合は少し気をつけなければいけないと思います。そしてもう1つ注意しなければならないSASのイビキというのは、呼吸が一旦止まったあと呼吸再開時に「カアーツ」とかく大きなイビキです。このイビキの大きさが静かな時期と大きく激しい時期を繰り返す。この呼吸停止時に動脈中の酸素が減って呼吸再開時に大きなイビキをかくことでフッと眠りが浅くなる。そのため深い良い睡眠がとれず熟睡感がなく頭が重くなる。また、イビキを繰り返すことで口や喉が渇き、最近年をとったせいかとても疲れやすい、どうしたのだろう?と思っているとその原因がSASにあるというケースが非常に多いのです。
人口の2割がイビキをかくといわれ、中高年の男性はその6割が、また中高年の女性はその4割に習慣性のイビキがあるといわれています。さらに40歳以上で習慣性のイビキがある人は高血圧を合併する頻度が高いともいわれています。この中にも相当数のSAS患者さんが含まれているわけで、SASの治療をすることが高血圧の症状の改善に結びつくことがかなりあるといえます。 |
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睡眠時無呼吸症候群とは | ||
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SASの定義としては、「10秒以上の呼吸停止が一晩に30回以上生じる場合」とされていますが、この程度であればあまり問題ではなく、「無呼吸が1時間に20回以上ある場合」にCPAPの治療を積極的に行うようにしています。
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重症度の判定 | ||
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さて、この病気の重症度を調べるには、AHI(無呼吸/低呼吸指数=睡眠1時間あたりの無呼吸と低呼吸の回数)を用います。AHIが30〜45の方すなわち重症の患者さんはそこら中にいらっしゃいますが、“重症”といっても他の病気とは違い、SASの場合は治療すれば確実に良くなるというところが一番良いところだと思います。最も重症な部類の患者さんは、アメリカの報告によると、脳梗塞や心筋症、高血圧などを合併する頻度が極めて高く、余命10年位とも言われています。このような方は日中の眠気がひどいため交通事故や労災事故を起こす危険性もあり、自分だけでなく他人にとっても非情に危険であるといえます。アメリカのハイウェイのトラック・ドライバーを検査したところ、75%がSASと診断されたとの報告もあります。
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睡眠所無呼吸症候群の症状 |
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SASが疑われる症状としては、激しいイビキと無呼吸、中高年の肥満、昼間眠い、集中力低下、インポテンツなどがあります。また、SASの症状としては、この他に睡眠時の頻回の覚醒、夜間頻尿、うつなどがあります。特に夜間頻尿は非情に多く見られる症状で、無呼吸の後の呼吸再開時に「カアーッ」と大きなイビキをかくことで腹圧が上がり尿意をもよおしたり、同時に、尿を出させないようにするホルモンの分泌が低下するために起こるものなのですが、患者さんは前立腺肥大だと思って泌尿器科を受診される。泌尿器科医は、前立腺はあまり大きくないが薬をたくさん処方する。患者さんは薬をいくら飲んでも全然良くならず、無呼吸の治療をするだけで症状がすっかり良くなるといったことがとても多くあるのです。 |
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睡眠時無呼吸症候群の合併症 | ||||||||||
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また、SASの合併症としては高血圧があげられますが、日本では高血圧の患者さんが800万人いるわけですが、100万人いると試算されるSASの患者さんはおそらくこの中に含まれると思われます。従って、SASの医療を提供することで高血圧の患者さんが良くなり、ひいてはその分の医療費の削減にもつながるといえます。
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睡眠時無呼吸症候群がもたらす重大な結果 |
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以上のように、SASはただ寝室をやかましくするだけでなく、二つの重大な結果すなわち心身の疲労と心血管系疾患につながるものなのです。 |
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睡眠時無呼吸症候群と人種・家族歴・年齢差 | ||||||||
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さて、日本人は欧米人ほど太っていなくてもSASの方が多いわけですが、その特徴として、大きなおなか、小さなアゴ、短い首、があげられます。なおかつ舌の位置が高く後方にある方などで、普通に口を開けて自分でのどの奥が見えないようであればSASを疑っても良いと思います。統計ではSAS患者4,800例のうち3割は肥満度25以下(非肥満)という報告もあり、日本人にとってこの病気はいわゆる中高年の太ったオヤジだけの病気ではないのです。
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検査・治療の進め方 | ||||||||||||||||||||||||
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それでは、どのように検査・治療していくのかについてお話します。最近では自分から「無呼吸症だと思うので治療してください」という方もずいぶん増えてきましたが、やはり大半はベッドパートナーからの指摘です。患者さんに治療まで行ってもらうように説得する手段として、簡単な検査をするようにしています。スリープテスタやアプノモニター、パルスオキシメータなどを用いて検査結果を患者さんに説明し、じゃあ詳しい検査にいきましょうということで睡眠ポリグラフという検査を行っております。この検査では、睡眠の深さ、心循環動態、低酸素血症の程度、呼吸パターン及び下肢の節電図を調べます。当院では4ベッドシステムで2人の医師が朝まで検査を実施しています。胸と腹の動きを調べることでは、閉塞性の無呼吸(OSAS)か、中枢性の無呼吸(CSAS)か、がわかります。また、健常人の睡眠をみると、浅い睡眠(ステージ氈A)と深い睡眠(ステージ。、「)を周期的に繰り返して、良い睡眠がとれるのですが、SASの方の睡眠では深い睡眠まで行かず、浅い睡眠の繰り返しで、深い睡眠はほとんどありません。が、CPAPの治療を始めたその日から、健常人同様の睡眠が取れるようになるのです。OSASの治療法にはNCPAP(鼻CPAP)と、手術やマウスピースなどその他の治療法がありますが、CPAPは手軽で苦痛無く行えることから、最初の治療手段と位置付けていますし、CPAPだけが唯一、無呼吸を完全に無くすことができる有用な治療法だといえます。NCPAPの原理は、鼻にマスクを装着し気道が開くまで圧を上げるだけという極めて簡単なものです。1981年シドニー大学のDr.サリバンがカナダのトロント大学にいるときに開発し全世界に広まったもので、医療の経済状態が変わるほどの画期的なものでした。国家をあげてこの医療に取り組むアメリカの姿勢に比べ、日本はまだまだ立ち遅れているといわざるを得ません。
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CPAPの副作用 |
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CPAPの副作用としてはまず、特に冬季の口鼻の乾燥や鼻閉があげられますが、室温を一定に保つことや、市販の加湿器を使うことで十分対処できます。また加湿器一体型の治療器も出ているのでそれを使っても良いでしょう。また、マスクからの空気漏れも今ではマスクが格段に良くなり十分対応できています。マスク装着による皮膚炎もステロイド軟膏処置で対応できます。が、このようなこともきちんと見ていかないと患者さんはなかなか継続できないので注意しています。 |
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当院の現状 |
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当院のSAS患者数は1998年4月の保険適用を機にどんどん増えて、昨年度は新患がおよそ1,000人になりました。外来では診察とスリープテスタによるスクリーニングを行い、その後2泊3日でCPAP導入の入院治療を行っています。体制としては医師以外に呼吸療法士が1名、そして睡眠検査技師13名のスタッフで運営しています。呼吸器科だけでは患者さんが集まらないので、院内では循環器科、耳鼻科、神経内科、小児科の医師と連携し、また、院外では糖尿病専門病院や開業医とも連携し、SASの疑いのある患者さんを紹介してもらっています。 |
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日本の睡眠医療の現状 |
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日本の睡眠センターの数はアメリカの3,000に対し40,また治療を受けている患者数は100万人に対して1万人と立ち遅れていますが、この医療は今後確実に広まるでしょうし、そうなることでこの国も良くなっていくと思います。また、地域格差も大きく、特に四国、東北、北海道ではまだまだだといえます。 |
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今後の課題 |
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これから私たちがすべきことは、全国調査を実施し日本における睡眠障害による問題の規模を明らかにし、この医療を広めるために、治療を受けている有名人の力を借り、患者会を設立し厚生労働省に働きかけ、SASの医療を政策に入れてもらうことだと考えます。また、課題としては、健康管理の一環として健康診断の項目に睡眠評価を取り入れること、CPAP治療における病診連携を強化することなどがあげられます。 |
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結び |
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鼻CPAP治療を受け入れた患者さんは、健康と活力が蘇るという奇跡を体験できます。しかしながら、再重度の患者さんで治療を拒否した場合、死に至ることがあるということを改めて理解して欲しいと思います。 |
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